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「歯が悪くなったら行くところ」だった歯科クリニックは、「健康な歯を守るためにケアをしに行くところ」へと変わりつつあります。適切なセルフケアを日々継続しながら、定期的に歯科クリニックで専門的な予防治療を行いましょう。むし歯や歯周病になって受診するよりも、数ヶ月に1度定期検診を受けて良い歯を保っていく方がコストもかかりません。当院では患者さま一人ひとりに定期検診の時期をハガキでお知らせしています。
ポイント1適切な歯磨き
歯をきれいに保つためには、日ごろからの適切な歯磨きが欠かせません。毛先を細かく動かして、上下それぞれを別々に磨いてください。唇や舌が触れる場所は触れるだけでも汚れが落ちますから、以下の3点を特に注意して磨くようにしましょう。
ポイント2歯垢は歯磨きで、歯石は歯科クリニックで除去を
歯の表面についた細菌の固まりのことを歯垢(プラーク)と言います。 例えばカレーライスを食べた後、お皿は食べ残したカレーでぬるぬるしていますよね。 これが「歯垢」だとすると、カレーが乾いて硬くこびりついた状態が「歯石」です。 歯垢は歯磨きで除去できますが、乾いたカレーは強くこすらないと落ちないように、歯石も通常の歯磨きでは取れなくなってしまいます。そのため、歯石は歯科クリニックの超音波スケーラーなどの器材を使って落とす必要があります。むし歯予防のためには、日常の歯磨きに加えて、定期的に歯科クリニックで歯石を取ることがベストです。これは歯周病の予防にもつながる大切なことです。 具体的な治療については「歯周病の治療」の「治療方法」をご参照ください。
歯周病の治療について
ポイント3糖分と時間のコントロール
適切な歯磨き、歯科クリニックによる専門的なケアのほかに、糖分のコントロールも重要です。むし歯の発生を式で表すと「(歯質+細菌+糖分)×時間⇒むし歯の発生」となります。口の中にいる細菌や糖分が歯についたまま時間が経つと、むし歯になるのです。歯に糖分がくっついていても、すぐにむし歯になるわけではありません。唾液によって歯の再石灰化が促されるため、ある程度、歯は糖分や細菌による浸食から守られます。
何かを食べると口の中は酸性になるのですが、それが砂糖のような酸性食品であれば、口の中の酸性度(Ph)はますます強くなります。細菌も酸を出します。そして口の中のPhが5.5を超えると、歯は溶け始めるのです。 私たちにできることは、酸性度を高めてしまう糖分をできるだけ摂取しないか、長い時間放置する前に歯磨きなどで糖分を洗い流してしまうか、の2点です。
口の中は、温度が約37度、湿度がほぼ100%で、細菌が繁殖しやすい環境です。歯が汚れたまま寝てしまうと、細菌はどんどん増殖するので、就寝前の歯磨きを習慣づけましょう。ただし、歯の磨き過ぎには注意してください。毎食後に磨くことは問題ありませんが、必要以上に力を入れてごしごし磨いてしまうと、歯ぐきを下げてしまい、歯の根も磨耗して歯周病の原因になってしまうことがあります。そうならないためにも適切な歯磨きを心がけましょう。
患者さまの中にはスタッフに会うのが待ち遠しく、「(検診案内の)ハガキが来るのがとっても楽しみ」と言ってくださる方もいらっしゃいます。口腔内ケアを行うことで口の中がさっぱりとして気持ち良いというのも楽しみな理由の一つだそうです。
フッ素入り研磨ジェルと専門的な器具を用いた歯のクリーニングのこと。痛みはなく、気持ちがいいと評判です。歯をキレイにすることはもちろん、歯ブラシでは取りきれない歯の表面のプラークを取り除くことができますので、むし歯や歯周病予防に効果的です。
磨けているようで意外ときちんと磨けていない自己流の歯磨き。正しく磨けていないとプラークなどの汚れや食べカスなどが残ってしまい、むし歯や歯周病の原因に。当院では正しい歯磨きのやり方を指導。患者さまにホームケア方法を身に付けていただくことで、予防のお手伝いをさせていただきます。
定期検診を受診していただくことで予防はもちろん、病気になってしまった時の早期発見・早期治療へとつなげます。当院では、3~4ヶ月に1回の定期検診をおすすめしています。検診時期はハガキをお出ししてお知らせしますので、忘れずにご来院していただくことができます。
当院では、お子さまにも自分の口のこと、治療のことを理解していただきたいと考えています。 お子さまは好奇心旺盛ですので、分かりやすく噛み砕いてお話しすることで、どうすればむし歯にならないのか、どんな歯磨きが良いのかと疑問を持ってくれます。歯に興味を持ってもらうことが、大人になってむし歯にならないための第一歩です。
当院の小児歯科は、院長の母校でもある東京医科歯科大学小児歯科学教室を卒業した歯科医が担当しています。お子さまを専門に治療している、キャリア20年以上のベテラン女医です。お子さまのみならず、お子さまのお母さまからも「話しやすい」と喜ばれています。
お子さまによって治療を受けるときの反応はさまざまです。おとなしい子もいれば、暴れ出す子もいます。特に小さなお子さまは怖がることが多いので、当院では歯科医師・歯科衛生士が協力して恐怖心を取り除くように心がけています。
口の中を清掃するときには「はい、お口の中をシャワーするよー。お風呂のシャワーで泣かないよね?だから口の中も大丈夫!うん、偉いねー」といった風に、お子さまの気持ちになって柔らかく接してあげることが大切です。
お子さまがむし歯にならないために、当院ではお母さまに仕上げ磨きをするようアドバイスしています。例えば3歳のお子さまが歯磨きを習慣的にしていても、常によく磨けているとは限りません。小さな子が部屋の掃除を手伝ってくれたら「よくできたね」と褒めつつも、細かいところはお母様が仕上げをすると思います。歯磨きもそれと同じです。特に奥歯の中で最も大きい「6歳臼歯」の生え始めは臼歯に歯ブラシが届きにくいので、小学校低学年までは、お母さまが仕上げ磨きでサポートしてあげてください。
当院ではお子さまのむし歯を予防するためにフッ素塗布やシーラントを行っています。適切な歯磨き指導のほか、こうした歯科クリニックでの専門的なケアで、小さいうちから大切な歯を守っていきましょう。
シーラントとは、歯ブラシが届きにくい歯の溝の部分にプラスチック樹脂を埋め込んで表面を滑らかにし、むし歯になりにくくする治療です。対象の目安は、乳歯から、生えて間もない永久歯にも行うことができます。